社説 20150530 口永良部島噴火 円滑避難に生きた事前の備え

来源:互联网 发布:淘宝店可以用手机开么 编辑:程序博客网 时间:2024/06/08 12:23

大規模噴火にもかかわらず、人的被害は軽微で済んだ。備えの大切さを印象付けた。

 鹿児島県屋久島町の口永良部島にある新岳が噴火した。噴煙は9000メートルに達し、火砕流も発生した。

 屋久島町は直ちに、自衛隊や海上保安庁に支援を要請し、島民ら約140人に島外避難を指示した。政府も、首相官邸に対策室を設置し、救援活動を指揮した。

 7時間半後には全員が、町営フェリーや海保の巡視船などで隣の屋久島に移った。円滑な避難は、今後のモデルケースとなろう。

 新岳は昨年8月、34年ぶりに噴火した後、小康状態だった。今年初めに、再び火山性地震が増え始め、再噴火が警戒されていた。

 注目すべきは、屋久島町の噴火に備えた取り組みだ。

 前回の噴火まで、島内の避難所は、火口に近い地域にしかなかった。このため、火口から4キロ余り離れた高台にある鉄筋コンクリート造の元NTT関連施設を、新たに避難所として整備した。

 島民は、この施設までの避難訓練を実施していた。気象庁も、再噴火に警戒するよう、住民説明会を繰り返し開いた。

 今回の噴火直後に、島民と観光客らの8割超に当たる約120人が避難所に退避した。自宅待機の島民も含め、全員の安否をスムーズに確認できたのは、島を挙げての準備があったからだろう。

 気象庁は、噴火直後に、5段階の噴火警戒レベルを「3(入山規制)」から「5(避難)」に引き上げた。2007年の新基準導入後、最高の「5」となった火山は初めてだ。

 新岳は、爆発的噴火を繰り返しており、活動が1か月以上続いたこともある。火山活動の長期化を念頭に、政府や自治体は、島民の生活支援に取り組むべきだ。

 屋久島町が島民の帰還の可否を判断するには、新岳の活動データを集め、分析する必要がある。観測体制を充実させたい。

 国内では、各地で火山活動が活発化している。昨秋には、御嶽山の噴火で多数の犠牲者が出た。箱根山の一部地域では、4月から続く活動が静まらない。桜島も噴火を繰り返している。

 警戒が必要な火山の周辺自治体のうち、8割以上で避難計画が未整備だ。政府は活動火山対策特別措置法改正案を閣議決定した。関係自治体などに避難計画の策定を義務付けたことが柱だ。

 口永良部島の取り組みを参考に、備えを急がねばならない。

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